エッセイ

人の感情に敏感すぎる僕たちの頭の中

人の痛みを誰よりも一番先に分かってあげられる人でありたい、と切に思う。

僕は人の感情に敏感だ。

もっというと、自分の近くにいる人が今抱いている感情や考えていることが、かなり正確に手に取るように分かる。非言語コミュニケーションから受け取ることができる情報量が人よりずいぶん多いのだ。

急に機嫌悪くなったな、とか
仲よさそうにしてるけど本当は苦手なんだろうな、とか
めちゃくちゃ楽しそうにしているけど元気ないな、とか。

言葉の調子やタイミング、強弱からの情報が比較的多いけれど、同時に顔の表情や手足の動作、目線の動き、背筋の伸びや呼吸の深さや速さなどなど、膨大な量の情報を瞬間的に処理して感情や思考を受け取る。

周りにも同じスキル持ちの人は多い。
自信が無くて、気遣いで、人の目を気にしがちな人たちだ。
お互い話をしているとすぐに同じ仲間だとわかり合うのがまた面白い。

その感情透視スキルをいいように使えば、相手が今何して欲しいのかとか、どういうことを期待しているのかとか、何をくみ取って欲しいのかとかが分かるので、その人の懐にするするっと入っていくことができる。気が利く優しい人と思われる。

その反面、情報を受け取りすぎてしまい非常に疲れる。できるだけ不要な情報を受け取らないように情報シャットダウンをすることもあるし、仮に受け取っても知らないふりをすることもある。それはそれでストレスだが。

また、相手に合わせた人間となりがちなので、何を考えているか分からない人と思われることも度々ある。さらにそういう風に思われていることも筒抜けなので、ただただ傷つくのだ。

感情透視スキルを持っている人たちは、知りたくないことも知ってしまう。自分に向けられた敵意や悪の感情がその人の意識とは無関係にむき出しで襲いかかってくる。満面の笑みを浮かべていたとしても、攻撃的な感情を向けられている時内面が恐ろしい見えてしまうのは死ぬほど怖い。

そういった状況におちいりたくないので、過剰に人に嫌われたくないと思ってしまう。そして、相手の気持ちを考えすぎて自分を制御してしまう。無駄に気を遣ってしまい、大抵は損な役回りを自発的にしてしまう。どういう選択をしても絶対うまくいかないことが分かるので、周りがドン引きするほど急に逃げ去ってしまうこともある。

もちろん、そういう人達の痛みは誰よりも分かるので、見ていてこちらまでとても辛くなる。人より傷つくことが多い人達にとって生きやすい世の中になって欲しいなと切に願うし、真っ先にその人達の痛みに誰よりも一番先に分かってあげれる自分でありたいなと願う。

このスキルがどうして身についたのかはよく分からないけど、有用な反面、非常に生きづらい。この感覚を分かってもらえる人や気づいてくれる人といつも一緒にいたいものです。

PS

行間にいっぱいいっぱい意味を詰め込むことができる日本語が非常に面白いし好き。それを体現したような漫画も好き。NANAとかH2とか。